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束の間の夢
私のダンナは半分デンマーク人、半分スウェーデン人なのだ。だからダンナのファー
ストネームはデンマーク名、セカンドネームがスウェーデン名なんだよね。で、
このファーストネームはダンナの父の名前をそのまま受け継いだんだけど、スウェー
デンではとっても稀れな名前でスウェーデン人の耳に違和感が残るので、生まれ
てこのかた、ず〜っとセカンドネームのスウェーデン人名で通してるんだよね。
話は変わって最近、ダンナはPCの前で「をををを〜!!?」と悲鳴を上げたの。
オンラインバンクで自分の銀行口座の残高を調べていたみたいなんだけど、急に
残高が100万円程増えていたんだって。「何かの間違いだよ、これ。今月も赤
字だと思ったのにどうしてマイナスにならないでプラス100万円になるわけ!?」
とダンナ。「これは毎月赤字の私達に神様がくれたプレゼントなのかもよ!即、
引落として現金化しちゃえ!」と私。「んなワケないだろ〜!銀行のミスだって
ば。勝手に引き落としちゃったら後で請求がくるだろが。ま、とにかく銀行に電
話してみるわ、、、。」そこで銀行に連絡してみたよ。
ところが銀行は「確かに
お客さまの口座に100万円が振り込まれています。ええと、、、振込み主はX
XX様です。」と、ダンナと同姓同名の父の名前を挙げたの。「あー、やっぱり
間違いですわ。僕と父は同姓同名なんで、きっとそちらの方の手違いでしょう。」
しかし銀行は引き下がらなかった。「いいえ、確かにこちらのお客様からの振込
みになっております。同姓同名でありましても、私どもは国民番号を調べて作業
いたしておりますので、間違いありません。」(国民番号とはスウェーデンに居住
登録された人間に付けられる整理番号みたいなもので、戸籍みたいなモノ)
国民
番号まで調べられて入金しているなら間違いない、、、うっそ〜!!?
ダンナの父様が何の前触れもなく100万円を振り込んでくれたぁ!?
私は俄かに信じられなかったけれど、ダンナは涙ウルウルになって感激している。
「オヤジ、そういう奴なんだ。僕達が貧乏なのを気にしてくれてコッソリ入金し
てくれたんだよ。何時もはあんな口の悪いオヤジだけど、心優しいんだよ」
う〜
む、そういうモンかなぁ?私は銀行の間違いの方に一票なんだけど、ダンナはど
んどん夢を脹らまして具体的な話を始める、、、「まず、物置き部屋と化したびっ
けの部屋をなんとかしてあげよう。イケアでカーテンと本棚とおもちゃ箱を買っ
て、それから壁紙も変えよう。それから、、」「ちょっと待ったーーー!」と私
は話を遮った。「たとえ、こっそり入金してくれたにしたって、ちゃんとお礼は
言わなきゃ駄目よ。さささ、お義父さんに電話して。」
涙目で電話するダンナ。でも電話口から数メートル離れた私の所にまで響く義父の
叫び声が全てを物語っていた、、、「なぁぁにぃぃ〜!?いつお前に100万円
くれてやったってぇ!?俺は光熱費の引き落とし分を自分の口座に振り込んだだ
けだぞ!何が『国民番号を調べて作業してる』だぁ!?あーっ、チクショウッ!
許せねえ、糞銀行!即解約してくれるわっ!」ダンナは暫く電話の受話器を握り
しめ呆然と立ちすくんでいた(笑)。
しかしねぇ、国民番号をチェックしているのに、こんな信じられないミスを犯せ
るもんかねぇ? 今日は私の元に銀行からの請求書が届いたけど、身に覚えのない
ものだったから照会してみると、やっぱり銀行の手違いだった。うーん、義父み
たいに解約するかな?
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