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差別する人、される人。
先週、びっけを寝かしつけている時、スウェ―デン人の友人から留守電が入ってい
た。“今日、テレビで日本の芸者のドキュメンタリ―があるんですって!見逃さ
ないでね。” いやぁ、すっかりびっけと一緒に寝てしまったんで どんな番組だ
か分からんけど、日本がテレビに出るって大抵、こんな非日常的な風景ばっかな
んだよね。なんちゅ〜か、日本の男は皆男尊女卑で、女は男の奴隷みたいな思い
込みが元にあって、そこから番組が作られるから、変な日本の姿が伝わってくる
の。多分、今回の“芸者のドキュメンタリ―”も、毎度御馴染みのそんなんじゃ
ないのかな。 10年以上前、東京在住のスウェ―デン人ジャ―ナリストに会った
事があるんだけれど、そのおじさんってば、『日本人の日常生活をそのまま伝え
たって記事は売れない(=お金にならない)し、誰も興味を持ってくれないから
それはやらないんだ。それにスウェ―デンからも“もっとクレイジ―な話はな
いのか!?”ってプレッシャ―もくるから、いつも事実10%、誇張90%でやっ
ているよ。』だって。ま、これはどこの国でも同じなんだろうけど、私は相も変
わらず“女は男の奴隷”日本人像にうんざりさ。
以前、こんなことがあったんだ。私が寮生活をしている頃、スウェ―デン人の友人
がある雑誌の記事を持ってきて私に噛み付いてきたの。そこには、六本木で売春する
スウェ―デン人女性のインタビュ―が載っていてね、“1ヶ月で1年分の稼ぎが
入るからやめないけれど、こんなに自分が安っぽく扱われた事はない。”ってそ
の女性が証言しているのに激怒してるんだ、その私の友人は。『どうして日本人
は売春を容認するの!?そのスウェ―デン人を安っぽく扱うことに日本人として
恥って観念を覚えないの!?』ってね。“売春は法律で禁止されてるよ、日本で
も。たとえばそれがフィリピン人の売春婦だったら、ブロ―カ―に騙されたって
ケ―スが考えられるから同情するけどさ、そのスウェ―デン人は稼ぎがいいから
安っぽく扱われるのを承知で自ら売春してるわけじゃん。なんで日本人として
恥を覚えなきゃならんのよ?”周りにいた他のスウェ―デン人も中に入ってきて
一斉に私を非難しはじめたじょ。『日本人は人種差別主義だ、スウェ―デン人を安っ
ぽく扱って平気でいる!』『日本の男は最低のクズ野郎だ!』
わたしゃ慣れっこだったから、みんなのように取り乱すことなく、冷静でかつイヤ
ミたっぷりに反撃したよ。“じゃあさ、みんなに聞くけど、みんなロンドンやパ
リで売春するスウェ―デン人について、どう思う?ストックホルムの売春婦はど
う?みんな売春婦に対して軽蔑するか、さもなければ無関心でしょ?ところが、体
を売る相手が日本人やアラブ人の男だったら なぜ急に態度が一変してスウェ―
デン人売春婦に同情するの?” 一同、気まずい顔をして黙り込む。“普段内緒に
していた あなたたちスウェ―デン人の潜在意識がここで顔を出していると私は
感じるよ。つまり、あなたたちはスウェ―デン人で白人、黄色ヤロ―(=gulingar)や
アラブヤロ―(=blattar)よりも優位な人種だと信じている。それなのに、下等な人種
に仕えるスウェ―デン人の存在が許せない、黄色ヤロ―のクセに高慢だって思っ
ているんでしょ?私はあなたたちこそ、立派な人種差別主義者だと言いきれるわ
ね。どう考えているのか、私に説明しなくてもいいのよ、ただ、あなたたちの心
に尋ねてみて、あなたたちは私達黄色ヤロ―を低く見ているから、そこまでヒス
テリックに反応するんでしょ?” し〜〜〜ん!(笑)
気まずい沈黙の後、言い出しっぺのスウェ―デン人の友人が口を開いた。『ごめん
なさい。私は当然のようにスウェ―デン人は有色人種よりも優性だと思っていた。
そんな絶対条件があったからこそ、優性な私達を買う 下等な劣等人種が憎かっ
た、プライドが許されなかった。普段、教会で人類平等とか、人種差別反対とか
言っておきながら恥かしいわ。』
今思えば、何もこの善良な友人をここまで問い詰めることはなかったよな。私もか
なり苛々していたんだろうね、普段はめちゃトロいのにさ。彼女、涙目になって
いた。彼女は偉いよ、とても素直で自分で一番認めたくない部分をちゃんと認め
たからね。きっと自分が知らないうちに差別していたという事実がショックだっ
たんだろうな。でも、そこでショックを受けるスウェ―デン人には救いがあるよ。
それを恥としているんだからね。ほとんどの国の人は、自分がどこの誰よりも優
れている、他は下等だって思っていることに恥なんか感じないもんね。 ううう、
暗い話題ですまぬの〜。“芸者ドキュメンタリ―”が悪いんだ(笑)!
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