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おいおい、、、日本料理店
私が初めてスウェ―デンに来たのは1986年。当時この国での日本料理に関する認識
はほとんどゼロに近かったのよね、日本人は常に魚を生で食べていて(ま、そのテ
の誤解は未だにあるけど)肉も食べる習慣がない、、、みたいな。ストックホルム
大学の学生パ―ティに参加した夜、誰かが『ねえ、次回はあなたが日本料理を作っ
てくれない?』って私に聞いてきた時、その場にいたスウェ―デン人が一斉に
『やめてくれ〜!!』、、、それが90年代に入ってからこの国にも日本食ブ―ム
がやって来るなんて、あの頃の私には信じられなかっただろうなあ、、、。スウェ
―デンでは″日本料理″という響きに一種の高級感が伴うので、最近ではアジア
系のレストランでも日本料理と抱き合わせにして売り出しているところが多いの
よ。そうすれば、割高な料金を請求しても、『日本料理は高いからしょうがない
よね。』と納得されるからなんだって。老舗の中華料理店でも“日本食、中華料
理のエクスパ―ト”(しかし和食の味は最悪だったりする)、某有名韓国料理店も
“日本食、韓国料理なら当店で!”なんちゅ〜広告が新聞誌を賑わせるの。一番
笑ったのが、トルコ人経営のケバブ屋が“ケバブと寿司専門店!”ってのれんを
出した事!中華や韓国料理でもかなり無理があると思うけど、ケバブ屋だよ、ケ
バブ!中近東の料理と和食って最もかけ離れた存在だと思うんだけど、、。ストッ
クホルムのある有名ホテルの味噌汁は凄かったわ。熱湯に大量の味噌を混ぜただ
けなんだもん。真っ黒で最初は何だか分からなかった、、そんで味は、、ま、書
かなくても想像できるでしょ?
私の友人の中国人は一時、近所に中華料理店を開こうと考えていたんだけれど、中
華料理を作るには厨房を中華風に改造しなければならないのでコストが掛かりす
ぎる、という事で最終的に断念したのでした。ところがこの友人、最近になって
私に寿司バ―を開きたいから手伝って欲しいと頼んできたの。『寿司はブ―ムだ
から売れるし、中華料理と違って厨房を整備しなくてもいい。包丁とまな板さえ
あれば、誰でも寿司屋を開けるでしょ!』(ちなみに、ここでは調理師(板前さん
)の資格がなくても寿司屋を開店できるのです。)、、、そんな、簡単にいかない
よ〜。板前修行は厳しいんだよ〜。『簡単よ!生魚を切ってお米のボ―ルの上に
乗せれば寿司の出来上がりじゃない!?』ぎゃ〜っ、何をお気楽な事言ってるの
よ〜!寿司はそんな単純なモンじゃないんだから!大体、そんないい加減な事し
て商売しちゃったら日本人の怒りをかうよ。『日本人なんか来ないって。誰も本
当の寿司なんか知らないんだから平気じゃん。スウェ―デン人なんか簡単に騙せ
るわよ。』騙すってアンタ、わたしゃ嫌だよ、寿司を冒涜してるみたいだわな。
『おいしけりゃいいって事よ!ねえ、本当に手伝う気ないの?絶対に儲かるわよ。』
やだ。
困ったもんだわ、こやつは、、と思ったけど、なんと彼女、中国人の友人とつるん
でストックホルムに寿司バ―を開店しちゃったのだよ!言っておきますが、二人
共、中華料理の腕はプロ級ですが、寿司を握った事も板前修行をした事もありま
せん。『あはは、楽勝、楽勝、客は皆スウェ―デン人だもん、分かりゃしないっ
て!』私も暫く笑いが止まりませんでしたね。彼女の勇気とバイタリティ(と図太
さ)に乾杯だ!
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